ついに来ましたね。
何もスキルがなくても、経験がなくても、
健康ならなんとか食べていける。
そんな時代が終わろうとしています。
そんな時、まずしなければいけないのは。
自分とじっくり向き合って、自分を知ることじゃないでしょうか。
人間であること、って?
世の中にAIとか自動運転技術が登場して、随分経ちました。
今や床の掃除機がけとか自動車の非常ブレーキ、
簡単な受付や案内業務、洗濯物を畳んだりは、
人間の代わりにロボットができる時代です。
声で個人の識別ができ、ひと声かけるだけで家電の操作もできます。
高速道路で前の車についていくのも、渋滞時のペダル操作も肩代わり。
スマホに話しかければ、リアルタイム翻訳だってできます。
わたしたちの日常に深く溶け込みつつあるこれらの技術が、
ついに、建築現場の資材搬送や鉄骨の溶接まで行おうとしています。
建築は芸術の一種です。
わたしは全くの素人なので技術的なことはわかりませんが、
周囲の景色や環境と調和し、来た人に驚きや安らぎを与え、
自然現象への耐性を兼ね備え、機能を持っています。
そもそも「調和」とか「驚き」「安らぎ」といった感覚は、
人間特有のものです。好き嫌いだってあります。
なので、それらを設計し生み出すのも評価するのも、
人間にしかできません。
ですが、設計された建築を、図面や工程通りに作ること。
これは、ロボットにもできる分野です。
一方で、建築現場では、狭い中たくさんのロボットが一斉に動くし、
GPSの電波も届きにくい。
立体的な構造の中、たくさんのロボットを制御しなければいけない。
そんなことから、これまで自律型ロボットの導入は難しいものでした。
なので、機械を使いながら、人が現場に入って建築をしてきました。
厚い中寒い中、時に足場の不確かな中で重い資材を持ち運ぶ。
当然、体力のいる仕事です。
管理者には建築と安全衛生の専門知識もいります。
ですが、清水建設は建築現場に自律型ロボットを投入するそうです。
なんと自社開発。2018年から一斉投入するそうですね。
しかも、100カ所の工事現場で8,000台のロボットを管理できる
システムも開発したとあっては、すごい!の一言です。
3次元の設計図面とかセンサーで自分の位置を把握できるそうです。
資材を運ぶ搬送ロボ、資材の積替えロボ、天井への内装材据え付けロボが
あって、搬送ロボがエレベーター経由で据え付けロボに資材を渡せる。
連係プレーもできるとは!ロボコンどころじゃないですほんと。
これ、人間がする場合より7割少ない人数で運用できるんですって。
検証予定の地上30階建てビルの場合、のべ6,000人減らせるそう。
のべ人数とはいえ、恐ろしいですね。
小さいビルとかなら、十数人ぐらいで建てられるのでは…。
このロボたち、2~3カ所で転用すれば投資回収できるらしいので、
検証が終わり次第、大手ゼネコンがこぞって大量導入すると思います。
となれば、一体何人の作業員の削減になるのか。
日雇いや有期限の人が多いと思うので、えらいことになります。
これからの時代の「価値」
AIやロボットの発展によってたくさんの仕事が人の手を離れる、
と盛んに言われていても、ピンと来ていなかった人も多いのでは?
最悪、健康な身体があれば、コンビニとか本屋のバイト、
交通整理とか建築現場で働けば食べてはいける、とか。
そんな時代は終わろうとしていますね。明らかに。どうしようもなく。
この流れは逆行しないです。だって企業にとって良いことだし。
労働力としての人間は、使い回しはきくけど休みがいるし、
怪我するし死ぬしそうなったら周りがうるさいし。
でも、ロボットは燃料補給とメンテさえすれば、
壊れるまで働きます。文句も言わず。工期もすごく短くなります。
人間の出る幕は究極、ロボたちが間違いなく動いているか
監視するぐらいしかなくなります。
そんな時代、肉体労働しかできない人たちの行き場は、
たぶんありません。
そんな旧式でコスト高の労働力は、記録とか資料の中行きです。
人間だからこそできること。人間にしかできないこと。
SFでは、機械が人間を飼う世界も描かれます。
それは行き過ぎとしても、お金とか「対価」を払うという行為は、
対価に見合う価値を見出した時、心を動かされた時です。
そして、心は人間にしかありません。
もし機械が心を持ったなら、それは機械ではありません。
人の心を動かすこと、それに価値を見出せるのも、人間だけです。
そんな時代に必要なのは、「自分は何をしたいか」だと思います。
誰のために何がしたいのか。
それを知るためには、常識とかしがらみを一旦置いて、
自分にじっくり問いかけるしかないと思います。
自分を知る、ということしかないと思います。
今すぐではないかもしれませんが。
自分を知り、したいことをすることに価値がある時代は、
その足音は、そこまで来ています。
コメントフォーム