定時に帰れる人は良いな…なんて言ってると人生しょぼくれますよ


 

 

 

「定時退社」「定時に帰る」
あなたはこの言葉を見て、どのように感じますか?

 

 

 

憧れとか。罪悪感とか。そんなん無理、とか。
できたらいいね、でも、とか。仕事ができる人だね、とか。
でも自分は、とか。仕事を後回しにしてけしからん、とか。
一つではなくいろんな感想が浮かぶことだと思います。

 

 

 

定時に帰れない=能力がない

 

わたしが新入社員として研究に配属されたころ、
初めての上司に、代表的な一日のスケジュールを見せられました。
詳細省きますが「8:00出社、19:00退社、23:00就寝」。
ちなみに定時は8:30~17:00です。

 

 

 

「あ、19:00に帰ってるんや。早めやな」
当時のわたしの感想です。慣れと無知。怖いですね。
大学院卒で研究生活に馴染んでいて、学校を21:00頃出るとか
かなりの頻度であったので、19:00は早めだったんですね。

 

 

 

今思えば、新入社員に「1日2時間の残業は普通ですよ」と
言っているわけです。
定時に帰ることは、ないとは言わないけど、普通じゃないですよ、と。
フレックス職場で管理職の日常とはいえ、どうなんでしょうね。

 

 

 

日本の特に正社員は、いまだに残業折り込み済みの部分がありますよね。

わたしも研究の頃は、初上司の日常をなぞるように、
普通は19:00退社、遅ければ上限の22:00退社でした。

それが普通だと思っていました。
わたしの周りの大多数の人も、そうでした。

 

 

 

でも、ごく一部の先輩に、すさまじく短期間で成果を上げる人が
いました。すごいですよ。

 

 

 

3カ月の検討期間を与えられても、かかって2カ月。
早ければ1カ月で仕上げる。しかも望まれた成果+αで。
もちろん研究なので、全てうまくいくわけではありません。
1カ月で「ダメ」と判断していました。「こうすればいい」付きで。

 

 

 

その人たちはなぜそんなに仕事が早いのか。
ルーチンだから?いやいや、いつも新しいものばかり作っている。
飛び抜けて優秀だから?それはあるかもしれません。
ただ、明確に違うのは、「残業しているから?」

 

 

 

その人たちは基本的に、定時に帰っていました。
作業の都合で残業になることはありました(反応が8時間とか)が、
定時に来て定時に帰る、それが普通でした。

 

 

 

最低限のコストで最大の成果を得る。理想の体現ですね。
当然、上司からの評価は非常に高いものでした。
うちの会社では、給与とか昇進にはほとんど関係ないですけどね。
だから若い人が減っていくんですが。

 

 

 

当時のわたしは「すごいなあ」ぐらいにしか思っていませんでした。

 

 

 

数年後、営業に移ると、圧倒的多数の人が、普通に残業していました。
電話を取って、パソコンにかじりついて。
研究の頃みたいに21:00まで、というのは少ないですが、
やっぱり20:00頃までは人がいました。

 

 

 

そこそこの歳=ベテラン という大嘘

 

その中でも、トップセールスマンというのはいます。
成績の公表やノルマはないので、どのぐらいかはわかりませんが、
社長からの表彰を取るほどの数字をたたき出していました。
わたしより若い、当時20後半の人でした。

 

 

 

営業は外回りに出ることが多く、残業とか仕事ぶりがどう、とか、
定時に帰れているかどうかがとてもわかりにくいですが、
その人はとにかく、事務所にいませんでした。
直行直帰が非常に多く、お客さんのところに行きまくっていました。

 

 

 

とはいえ、月末月初やどうしてもやらないといけない事務作業は
あるので、1週間に1日ぐらいは事務所にいました。
たまりにたまった作業をその日にやってしまうので、
どうしても残業にはなっていました。

 

 

 

飲みに行ったときに、何時ぐらいに帰れているか聞いたことがあります。

 

 

 

遠方出張もあるので帰宅時間はまちまちだけど、
事務作業を除き、仕事はほとんど定時に終えるようにしている、と。
事務所の外ではできないことがあるというのもあるけど、
メールを打ったり電話をしたりも、基本的に定時まで。

 

 

 

そのためにはどうするか。

 

 

 

仕事は次から次へとやってくるし、放っておけばたまる一方。
たまれば処理がしきれなくなって、残業して追いつく。
時には頭と時間を使わないといけない仕事もあって、
一向に追いつかない。

 

 

 

何となく来た仕事に対処していたら、すぐその事態に陥るので。
「やる仕事を選ぶんです」トップセールスマンは言っていました。
先輩や他部署に振れる仕事は振ってしまう。
考えないといけない仕事、時間が必要な仕事を選んで、それからやる。

 

 

 

メールを見たら、1分だけ考えて、返せる返事は返してしまう。
許可が必要な案件は、少し先の回答日だけ返して、まとめて得る。
時間がかかる案件は、とりあえずすぐに関係者に情報共有だけして、
落ち着いて考えられる時に優先して取り組む、という感じで。

 

 

 

そういえば、研究ですごい速さで成果を出していた人たちも、
取り組む仕事を選んでいました。
時には、優先順位付けどころか、可能性を捨てるぐらいの勢いで。
そして、定時に帰る。時間内に仕事を終わらせていました。

 

 

 

上司に「これは検討しても結果が見えているから、やりません」と
よく言っていました。
もしかしたら、やらないと決めた検討の中に正解があるかもしれない。
けど、今はやらない、と。それよりもこっちが正解に近いと思う、と。

 

 

 

わたしたちサラリーマンは、ともすれば「上に言われたから」
「お客様の要望だから」と、何でも引き受けてしまいがちです。
でも、それって実は、思考停止しているんですよね。

 

 

 

クレームやトラブルみたいに、考えるよりまずはスピードが求められる
突発的な仕事は実際にあります。

 

 

 

でも、例えば定期的に指示される会議資料みたいに、
実は同じような内容を何回も作る、ってありませんか?
それなら、共通部分は上司がコピペ駆使して作り変えてもらって、
担当者からは変更、追加の情報を入れてあげれば済みますよね。

 

 

 

部下が作成した文章を上司がチェックして、訂正を指示して…
って繰り返すより、必要部分を集約して、
上司が話しやすいように自分で書き換えた方が、
上司も部下も時間を使わずに済みます。

 

 

 

それにはまず、上司に納得してもらわなければ実現できません。
会社というところは、横方向に協力や情報共有できても、
やるやらない、これでいいかいけないか、は縦で決まるので。
社長を除き、上司は、さらに上の上司を説得しなければいけませんね。

 

 

 

なので、仕事を選ぶにしても、「これはやりません」と言うときに、
わかりやすく納得してもらえる理由を添えなければ進みません。

 

 

 

共通言語を探して説得する

どうやればわかりやすいか。
それは、相手にどんなメリットがあるか、だと思います。

 

 

 

時間や作業が減る可能性があるとか。
何にせよヒト、モノ、カネが動くものは全てコストです。
早く成果に結びつく可能性があるとか。
投資コストに対してリターンが早いに越したことないですよね。

 

 

 

こういう提案をすると、「それは確かなのか」と言われます。
しんどいところですよね。弊害ですらあります。

 

 

 

起こってもないことが確かかどうかなんて、誰にもわかりません。
なので、可能性が高いと思えば、やってみるしかないです。
90%いけると思っていても、やってみたらダメなことだってあります。
でも、やらなければ100%ダメなんです。それよかマシです。

 

 

 

望む人生のために

 

仕事を効率的に進める。スピードアップする。
そのために「本当に時間と手間をかける必要がある」仕事に集中する。

他は短時間で判断するか、思い切って省く手を考える。
そうできそうな方法があれば、周りを説得して、思い切って変える。

 

 

 

日々の仕事を細かく仕分けて、所要時間を見える化して、
優先順位と方法を見直して、PDCAをまわす。
よく言われる手法ですが、わたしもやってみて思ったのが、
やることが決まっている仕事でなければ、すぐに効果は出ません。

 

 

 

やることは日々変わるし、質も優先度もその時々。
そんな仕事だと、仕分けて優先順位を付けた時には、
もう成り立たない、ということもよくあります。

 

 

 

どの仕事が優先順位が高いか、時間と手間をかける必要があるか。
その判断は、期待できる成果や及ぼす悪影響のバランスです。
そこは、自分の仕事の流れや関係する部署、かかる時間の
見極めができないと困りますが、それは経験と洞察です。

 

 

 

日々の仕事の中で、それを意識して取り組んでいると、
だんだん見えてきます。
優先順位は、それをベースに常に考えていくしかないと思います。
そして、仕事の選び方も含め、時には考えを上司に確認してもらう。

 

 

 

そうすると、上司も安心できます。「こんなこと考えてるのか」と。
「任せるから」と言われることが増えて、
自分の判断に自信が持てればこちらのものですよね。
それからはもう、自分の判断で仕事を選んでいく。上司にも報告する。

 

 

 

それが、仕事の成果を上げながら定時に帰る方法なのだと思います。

 

 

 

定時に帰って、家族や仲間と触れ合ってリラックスする。
趣味や運動でリフレッシュして自分の生活を整える。
ゆっくり休んで、心と身体の調子を整える。
やりたいことや、将来のために今すべきことをする。

 

 

 

その全てが、次の日の仕事の効率を上げるものですし、
次の日にも定時に帰れる条件のひとつですし、
その積み重ねが自分が望む人生をつくっていきます。

 

 

 

定時に帰るために、やる仕事を選びましょう。


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筆者:鳴海 研

化学メーカーにつとめる30代理系サラリーマン。
一人っ子として育てられたと思ったら実は違ったり、
借金で育てられたり家族が蒸発したり会社の先輩が失踪したり、
色々経験する中で辿り着いた、本当に生きたい人生とは。
あなたはどんな未来を実現したい?そんなことを書いています。

⇒鳴海研ってどんなやつ?

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